「は〜ぁ、今日も誰も見舞いに来てくれなかったな」
僕、入院中なんだけど。
なんで誰も見舞いに来てくれないかな。
「自分で花買うの、寂しいじゃん」
寂しい……じゃん。
「ゴホゴホッ」
消灯時間も過ぎたし、寝ようかな。
「おやすみ、千夜……」
いつものように星にそう呟いて、横になろうとした。
と、同時に――
――コンコン
扉を叩く音。
そして
「刹那……」
今、聞こえるはずのない、愛しい彼の声。
「えっ、千夜?」
空耳?
「刹那……」
空耳じゃない。
でも、どうしてこんな時間に?
「入って、いいか?」
「う、うん」
少しずつ開く扉から、千夜の姿が見えてくる。
「どうしたの、こんな時間に。面会時間はとっくに過ぎてるよ?」
「…………」
「僕が恋しくなっちゃった?」
なんて、胸のドキドキを少しでも落ち着かせるためにからかってみたり。
――あれ?
「……千夜、そうなの?」
「……っ!」
当たり!?
「答えないんだ。……それって、千夜の言う『否定しないのは肯定と同じだ』って――」
「会いたかったんだ」
「えっ?」
今、『会いたかった』って言った……よね?
聞き間違いじゃないよね?
「千夜もやっと、僕を必要としてくれるようになったんだ。嬉しいな」
「そんなんじゃ……」
「違うの?千夜から会いに来てくれたんだよ?」
だから、違うわけないでしょ。
でも……
もうちょっとだけ、イジメさせてもらうよ。
「千夜……キス、して?」
「はっ?」
「久々に会ったんだよ。千夜から会いに来てくれたんだよ。千夜に、触れたい」
「刹那……」
「ね、千夜」
してよ、千夜。
君から僕に触れてよ。
「…………」
「刹那」
「んっ」
チュって、軽いキス。
だと思ったんだけど……えっ?
「んんっ……はぁっ――ちょっ、千夜!?」
いつもと違う千夜に戸惑っていると、千夜はそのまま
僕を――押し倒した。
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